映像制作工房LACは、障害のある方が「動画編集で働く」ことを実現するサービスです。就労支援事業所向けに月額制で提供しており、利用者の方が動画編集スキルを学び、実際の案件で経験を積み、最終的に映像制作の仕事につなげるまでを一貫してサポートしています。
「習っただけで終わり」ではなく、学んだスキルを実際の仕事で活かせるようになることが私たちの目標です。LAC-LMS(専用学習管理システム)では、動画で学んで、課題を提出し、スキル認定を受けて、実案件にチャレンジする、という実践的な流れで着実にプロのスキルを身につけていただいています。
7月は、サポート体制の最適化に注力した1ヶ月でした。参加されている事業所様から「課題提出後のフィードバック待ち時間」と「技術的な質問への応答速度」について改善要望をいただいており、これらの課題に向き合いました。
本サービスは単なるスキル習得講座ではなく、実際の案件獲得に至るまでの重要な通過点です。
そのため、学習のモチベーション維持と実践的なスキル習得には、タイムリーなサポートが不可欠であることを改めて認識しました。
まず、現状を正確に把握するため、すべての質問と課題提出に対する応答時間の測定を開始しました。
・簡単な技術的質問には比較的迅速に対応できている
・複雑な問題や初回の課題提出時に時間がかかる傾向がある
・時間帯によって応答速度にばらつきがある
LAC-chatbotの活用を促進し、よくある質問への即時対応を可能にしました。
ただし、技術的な問題への対応には限界があることも判明し、人的サポートとの適切な役割分担が重要であることが分かりました。
7月中に寄せられた質問と解決策を整理し、ナレッジベースを構築しました
・Premiere Proの基本操作(Mac/Windows差異など)
・ファイル保存・読み込みエラーの対処法
・編集操作のトラブルシューティング
・課題別の注意点とよくある間違い
応答時間の大幅改善
7月後半にかけて、質問への初期応答時間が大幅に改善されました。
特に、技術的な質問への平均応答時間は、月初と比較して約75%短縮することができました。
視覚的サポートの充実
スクリーンショットを活用した視覚的なサポートが特に有効であることが判明し、「テキスト中央揃え」「ショートカット設定」などの複雑な操作説明において、画像付きの具体的な指示を提供することで解決時間を短縮できました。
ただし、スクリーンショットを活用したサポートはChatbotでの処理が難しいため、あくまでも人的サポートに依存します。
代替手段の準備
ネットワークエラーやシステムの不具合に対して、代替手段(ギガファイル便の活用、直接URLの提供など)を即座に提案できる体制を整えました。
応答時間のさらなる改善に向けて、サポート人員の拡充にも着手しています。
特に、現在の対応時間である日中の数時間は、主婦層の方に相性の良い時間と仮説を立て、募集を進めています。
7月全体の課題として、「Chatbotへの質問率:25.8%」「Chatbot単体での解決率:9%」からわかるようにChatbotへの信頼がまだ確立していないことがあげられます。質問率と解決率を並列であげていくための制作を立案し、実行して参ります。
7月の取り組みを通じて、人的サポートの質は高い水準を維持できていることが確認できました。
一方で、自動化できる部分にはまだ改善の余地があります。特にChatbotの精度向上が急務です。
事業所様からいただいたフィードバックは、私たちのサービス改善の原動力です。
「動画編集で働く」という目標に向かって努力される利用者の皆様を、より良い形でサポートできるよう、今後も継続的な改善に取り組んでまいります。
次回のReportでは、8月の取り組みと改善についてご報告する予定です。
