映像制作工房LACは、障害のある方が「動画編集で働く」ことを実現するサービスです。就労支援事業所向けに月額制で提供しており、利用者の方が動画編集スキルを学び、実際の案件で経験を積み、最終的に映像制作の仕事につなげるまでを一貫してサポートしています。
「習っただけで終わり」ではなく、学んだスキルを実際の仕事で活かせるようになることが私たちの目標です。LAC-LMS(専用学習管理システム)では、動画で学んで、課題を提出し、スキル認定を受けて、実案件にチャレンジする、という実践的な流れで着実にプロのスキルを身につけていただいています。
8月は、7月に掲げた重点施策「Chatbotの精度向上」に本格的に取り組んだ1ヶ月でした。7月時点でのチャットボット解決率が9%という状況を受け、AIサポートの改善とユーザーの信頼獲得に注力しました。
同時に、8月後半には予想を上回る課題提出の急増という新たな課題にも直面し、サービスの成長に伴う処理能力の拡充という重要な課題も明らかになりました。
8月の最も特徴的な出来事は、課題提出数の急激な増加でした。
課題提出数の推移
- 8月前半(1-15日):27件
- 8月後半(16-31日):161件(約6倍の増加)
- 特に8月27-29日の3日間で100件の集中提出
この急増は事業所様でのスキル習得が順調に進み、多くの利用者様が実践段階に入られた証拠でもありますが、一方でフィードバック処理の遅延という新たな課題を生みました。
特に、管理者の外出と重なった27-29日の期間では、迅速な対応が困難となりました。
8月の総合的な成果は、前期比で着実な改善を示しています。
8月前半の達成状況
・総合達成度43%(3/7達成)
8月後半の達成状況
・総合達成度57%(4/7達成)
大幅に改善された領域
質問応答体制の安定化
管理者による質問対応は高い水準を維持しました。
- 管理者初期応答(15分以内):80.95%(目標50%)
- 管理者初期応答(1時間以内):100%(目標80%)
- 最速応答時間:46秒
Chatbot解決率の大幅改善 7月の重点施策の成果が数字に表れました。
- 8月前半:38.5%
- 8月後半:47.6%
- 7月比較:9% → 47.6%(5倍以上の改善)
新たに浮上した課題
課題フィードバックの処理遅延 急激な提出数増加により、フィードバック時間に影響が生じました。
- 課題フィードバック(1時間以内):13.7%(目標50%)
- 課題フィードバック(6時間以内):64.0%(目標80%)
この結果は、質の高いフィードバックを提供するという方針を維持しつつ、処理能力の拡充が急務であることを示しています。
AIサポートの実用性向上 7月に構築したナレッジベースの効果と、継続的なChatbot改善により、利用者様からの信頼度が大幅に向上しました。BOT対応質問数も増加し、管理者への負荷分散が実現されています。
応答品質の維持 課題提出が急増する中でも、質問への応答品質は高水準を維持できました。複雑な技術的問題についても、平均2分での管理者補足対応を実現しています。
8月後半の課題提出急増は、サービスの成長に伴う喜ばしい現象である一方、現在の処理体制では対応が困難になる可能性を示唆しています。
現状分析
- 質問対応:チャットボット改善により効率化が進んでいる
- 課題フィードバック:人的リソースに依存する部分が多く、ボトルネックとなっている
対策の方向性 フィードバック品質を維持しながら処理能力を拡充するため、評価基準の標準化と複数人での対応体制構築を検討しています。
まとめ
8月は、7月に掲げたチャットボット改善が大きな成果を上げた一方で、サービスの成長に伴う新たな課題も明らかになった重要な月でした。
特にチャットボット解決率の改善(9% → 47.6%)は、利用者様の学習効率向上と管理者の負荷軽減の両方に大きく貢献しています。一方で、課題提出の急増への対応は、今後のサービス拡大に向けて避けて通れない重要な課題です。
「動画編集で働く」という目標に向かって努力される利用者の皆様の熱意に応えるため、品質を維持しながらもより多くの方をサポートできる体制作りに、引き続き取り組んでまいります。
次回のReportでは、9月の処理能力拡充の取り組みと成果についてご報告する予定です。
