「パソコンを使う仕事がしたい」に応えられない現実
利用者さまやそのご家族から「パソコンを使った仕事がしたい」という希望を聞いたことのある支援者様は少なくないはずです。特に若い世代にとって、スマホやPCに触れる中で「自分もこれを使って何かできるようになりたい」と願うのは、ごく自然なことです。
しかし、いざ事業所内でそのニーズに応えようとすると、壁にぶつかります。体系的なカリキュラムを提供できている現場は多くありません。パソコンに詳しい職員がいれば個別に教えられるかもしれませんが、それは「その人がいる間だけ」の属人的な話になってしまいます。
かといって外部のスクールは、学費が数十万円と高額で、通学の負担も大きい。何より一般向けの講義はスピードが速く、障害特性への配慮も期待できません。一度つまずけば置いていかれる。仕事自体はネット環境があればどこでもできるはずなのに、学ぶ段階で物理的・金銭的なハードルが立ちはだかっています。
映像制作を「手段」として使い倒す
映像制作工房LACは、こうした課題を「事業所の中で完結する仕組み」で解消します。自社開発の学習システムで利用者さまが動画講座を進め、専門サポーターがオンラインで質問に直接答えます。
ここで強調したいのは、私たちの目的は「動画編集のプロ」を育てることではない、という点です。映像制作という実務に近い工程を通じて、どこでも通用する「就労基礎動作」を身につけてもらう。それが就職や、事業所内での安定した活動につながります。
私たちが定義する就労基礎動作とは、自己管理、指示・指摘を受け取る力、報告・相談・質問、やり切る力、そして場面に応じた振る舞いを選択する力です。これらは、どんな職種であっても社会で生き抜くための土台となります。

オンラインで完結する実務を切り出す
映像制作と聞くと撮影現場を想像しがちですが、工程を細かく分ければ、パソコンの前だけで完結する作業が数多くあります。カット編集、テロップ入れ、BGMの調整。これらは編集ソフトとPCさえあれば、場所を選ばずに遂行できる業務です。
LACでは、この「オンラインで完結できる作業」に特化したカリキュラムを提供しています。撮影に出向く必要はなく、用意された素材を使って着実にスキルを磨いていく。事業所内はもちろん、在宅での活動にもそのまま対応できるため、利用者さまの状況に合わせた柔軟な支援が可能になります。
所在地に左右されない学びの環境
LACのシステムとサポートはすべてオンラインで動いています。都市部でも地方でも、利用者さまが手にするカリキュラムの質は同じです。オンラインで質問すれば、どこにいても中央値7.5分というスピードで回答が届きます。
従来のスクールは、教室の場所がすべてを決め、地方には選択肢がないことも当たり前でした。LACは事業所の所在地を問わず、高水準な学びの環境をダイレクトに届けられる仕組みです。

一般向けスクールとは異なる設計思想
一般のスクールとの最大の違いは、利用者さま個々のペースを完全に許容する設計にあります。月あたりの課題完了数が0.4課題の方もいれば、36課題の方もいる。その10倍以上の個人差をそのまま受け入れ、つまずいた箇所には即時のフィードバックで寄り添います。
費用面でも、事業所運営に即した現実的な設定をしています。月額33,000円(税込)の事業所単位課金で、人数が増えても追加料金はかかりません。一人あたり数十万円を要する一般スクールと比較して、事業所にとっても利用者さまにとっても、持続可能な選択肢となります。
事業所を「新しい可能性を提示できる場」へ
LACを導入した事業所は、見学に来たご家族や利用者さまに「ここでは本格的な動画編集を学び、実務に挑戦できます」と自信を持って伝えられるようになります。通い慣れた場所で、支援者様に見守られながら新しいスキルに挑む。この安心感が、一歩踏み出すための心理的ハードルを大きく下げます。
外のスクールには通えなかった方、在宅での活動を余儀なくされている方。そうした方々が「オンラインでできる仕事を、オンラインで学ぶ」場を手に入れる。障害のある方にとって、これまで当たり前ではなかったこの環境を実現することが、事業所の新しい価値に直結します。