就労定着支援は、障害のある人が一般企業に就職したあとに使える障害福祉サービスです。2024年度の報酬改定で、事業所の基本報酬は就労定着率だけで決まる7段階になりました。いちばん上の段階と下の段階では、月の単位数におよそ3.3倍の差があります。

就労定着支援の対象と期間

厚生労働省の通知「就労定着支援の実施について」によると、就労定着支援は2018年4月に始まったサービスです。生活介護・自立訓練・就労移行支援・就労継続支援を使ったあと、一般の事業所に新たに雇われた人が対象です。

就職して最初の6か月は、それまで通っていた就労移行支援事業所などが職場定着を支える期間です。就労定着支援はその6か月が過ぎてから使えて、期間は最長3年です。月に1回以上本人と対面(またはテレビ電話など対面に相当する方法)で会い、仕事に伴う生活面の変化も含めて支えます。厚生労働省の障害福祉サービス等報酬改定検討チームの資料(国保連データ)では、2023年4月の時点で事業所は1,538、利用者は15,332人でした。

通知は、月に1回以上本人に「支援レポート」を渡すことを報酬の要件にしています。本人の同意を得たうえで、雇っている企業や家族、関係機関ともできるだけ共有することが望ましいとしています。

報酬は定着率で7段階

令和6年度の報酬改定の概要によると、それまでの基本報酬は利用者数(20人以下・21〜40人・41人以上)と定着率の組み合わせで決まっていました。改定で利用者数の区分をなくし、定着率だけで決める形にしています。月あたりの単位数は次のとおりです。

定着率の数え方

通知では、就労定着率を「過去3年間に就労定着支援の利用を始めた人の総数のうち、前年度末に働き続けている人の割合」としています。新しく指定を受ける事業所は、一緒に運営する就労移行支援などで過去3年間に一般就労した人のうち、指定の前月末に働き続けている人の割合で計算します。

この率は事業所の報酬を決めるためのものです。厚生労働省の障害者雇用分科会の資料にある「ハローワークの紹介で就職した障害者の6か月後の定着率75.2%」(2024年4月〜2025年3月に就職した人)とは、対象も数え方も違います。

2024年度の改定でほかに変わったこと

支援の現場で使えること

就労移行支援やB型の担当者は、就職が決まる前から、6か月後に就労定着支援が使えることを本人に伝えておけます。通知も、就職後2〜3か月目に利用の意向を確かめ、4〜5か月目に定着支援の事業所や企業と支援の方向を共有する流れを示しています。事業所を選ぶときは、定着率がどの段階かを聞いてみてください。利用者が少ない事業所では、1人の離職で段階が大きく動くことも頭に置いておきます。

企業の担当者へ

支援レポートは、本人が同意すれば企業にも共有されます。本人の特性に合わせた配慮を考える材料として使えます。就労定着支援は最長3年で終わるため、その後に相談できる先(障害者就業・生活支援センターや地域障害者職業センターなど)を、利用中に定着支援の事業所と一緒に確かめておきます。

今日のポイント

就労定着支援の報酬は、利用者が働き続けている割合だけで7段階に分かれます。事業所を選ぶときも、企業が連携するときも、定着率の段階と終了後の引き継ぎ先を確かめておきます。

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出典(確認日 2026年10月10日)

この記事の案内役 結城ユイは、制度と実務の解説の案内役(架空のキャラクター)です。監修:合同会社RP 代表 ミネストローネ