2024年4月から、週10時間以上20時間未満で働く障害のある人の一部も、企業の障害者雇用率に数えられるようになりました。対象は重度の身体障害・重度の知的障害・精神障害のある人で、1人を0.5人と数えます。厚生労働省の集計では、2025年は1万8,227人で、そのうち約6割が精神障害のある人でした。
何が変わったのか
それまで、雇用率に数えられるのは週20時間以上で働く人だけでした。2022年の障害者雇用促進法の改正で、2024年4月1日から、週の所定労働時間が10時間以上20時間未満の重度身体障害者・重度知的障害者・精神障害者を、実雇用率では1人を0.5人として数えるようになりました。この働き方の人を、制度では「特定短時間労働者」と呼びます。
就労継続支援A型の利用者は、この数え方の対象から外れます。また、週20時間未満で働く障害者を雇う事業主に払われていた特例給付金は、2024年4月1日で廃止されました。
労働時間ごとの数え方
令和7年の集計結果の注記と障害者雇用分科会の資料をもとに整理すると、次のようになります。
- 週30時間以上 身体・知的・精神障害のある人は1人。重度の身体・知的障害のある人は2人
- 週20時間以上30時間未満 重度の身体・知的障害のある人は1人。重度でない身体・知的障害のある人は0.5人。精神障害のある人は当分のあいだ1人
- 週10時間以上20時間未満 重度の身体・知的障害のある人と精神障害のある人は0.5人。重度でない身体・知的障害のある人は数えない
2025年の人数と内訳
厚生労働省の令和7年 障害者雇用状況の集計結果(2025年6月1日時点)では、民間企業で働く特定短時間労働者は1万8,227人でした。前年の13,995人から増えています。内訳は次のとおりです。
- 精神障害 10,972人(約6割)
- 重度の身体障害 6,238人
- 重度の知的障害 1,017人
雇用率の上では1人0.5人なので、1万8,227人は9,113.5人分になります。民間企業の雇用障害者数704,610.0人の中では、まだ小さな割合です。
制度のねらいと歯止め
この見直しの元になった障害者雇用分科会の意見書(2022年6月)は、週20時間未満で働く人はどの障害でも一定数いて、特に精神障害のある人で増えていると指摘しています。体調が一時的に悪くなって週20時間以上働けなくなっても、本人が望めば雇用を続けられるようにすることも理由に挙げています。
一方で意見書は、雇用義務の対象は週20時間以上のままとし、週20時間未満の人を雇用率の算定式の分母には入れないとしています。週20時間以上の雇用を目指すことが望ましいという考え方も示し、安易に週20時間未満の雇用が増えないよう、本人の希望を前提に、ハローワークのアセスメントや医師などの意見を踏まえて扱うとしています。0.5人と数える扱いに期限は設けていません。
支援の現場で使えること
長い時間は働けない人にとって、福祉サービスではなく雇用として働く入り口になります。体調を崩して週20時間を下回った人が、退職せずに働き続ける選択肢にもなります。始めるときに「いずれ時間を延ばしたいか」を本人と確かめ、延ばしたくなったときに企業へ伝える道筋をつくっておきます。
企業の担当者へ
厚生労働省の令和5年度 障害者雇用実態調査では、精神障害のある社員への配慮で最も多かったのは「短時間勤務等の勤務時間の配慮」(54.3%)でした。週10時間からの雇用は、この配慮を雇用率の面からも後押しする仕組みです。ただし制度は週20時間以上への移行を目指す前提で作られています。採用時の時間を固定せず、本人の希望に合わせて見直す場を設けておきます。
今日のポイント
週10時間以上20時間未満で働く重度身体・重度知的・精神障害のある人は、1人0.5人として雇用率に数えられます。短い時間から働き始め、本人の希望に合わせて時間を延ばしていくための仕組みです。
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出典(確認日 2026年10月10日)
- 厚生労働省 令和7年 障害者雇用状況の集計結果(2025年12月19日) mhlw.go.jp(PDF)
- 厚生労働省 令和4年障害者雇用促進法の改正等について mhlw.go.jp
- 厚生労働省 労働政策審議会 障害者雇用分科会 第124回 資料5 特定短時間労働者の雇用率算定について(案)(2023年2月) mhlw.go.jp(PDF)
- 厚生労働省 令和5年度 障害者雇用実態調査(2024年3月27日公表)
この記事の案内役 結城ユイは、制度と実務の解説の案内役(架空のキャラクター)です。監修:合同会社RP 代表 ミネストローネ