「いいサービスだと思う。でも、結局……」

映像制作工房LACの説明をした際、管理職の方から最も多く返ってくる言葉があります。「いいサービスなのはわかる。でも、結局うちの職員が教えることになるんでしょ?」という懸念です。

この反応には、過去の苦い経験があります。新しい教材を導入しても、利用者さまがつまずいた瞬間に聞く先がなく、結局パソコンに詳しい特定の職員が横について教えることになる。その職員の本来業務が圧迫され、他の職員は「自分にはわからない」と距離を置く。いつの間にか特定の誰かに負担が集中し、その人が辞めればプログラム自体が止まってしまう。

映像制作工房LACは、この「現場に負担が戻ってくる」問題を、設計段階から排除しています。



9割以上の問い合わせを「外」で完結させる

現場の負担を消すために、LACのサポートは3つの層で構築されています。

まず、利用者さまからの質問の約56%はbotが即時に解決します。応答時間は平均11秒。夜間や休日でも止まりません。botで解決できない具体的な操作のつまずきや相談は、専門サポーターが引き継ぎます。こちらの回答速度も中央値7.5分です。さらに判断が難しいケースだけが、運営チームへと送られます。

これら3つの層が機能することで、技術的な問い合わせの9割以上が事業所の外で完結しています。



支援者様に「動画編集の知識」はいらない

このサポート体制があるため、支援者様が動画編集の知識を持つ必要はありません。利用者さまが「テロップの位置がずれた」と困っても、支援者様が解決に動く場面はないからです。利用者さまは自分でDiscordを立ち上げ、自分の言葉でサポーターに助けを求め、解決までを自己完結させます。

支援者様に求められるのは、PCの準備と「学習の時間ですよ」という声かけ、そしてシステム上のデータを見て利用者さまの調子を把握することだけです。これは技術指導ではなく、支援員が本来やっている「見守り」の延長線上にあります。技術指導の負担を「ゼロ」にすることを、目標ではなく前提として設計しています。



「特定の職員」に依存しない体制

この設計は、福祉現場で避けられない「人の入れ替わり」への対策でもあります。特定の職員のスキルに依存しないため、担当者が異動や退職をしてもプログラムは止まりません。カリキュラムはシステムに構造化され、サポーターはチームで対応し、すべての進捗はデータとして蓄積されているからです。

新しく赴任した職員であっても、管理画面を見れば「この方は今どの段階にいて、先月はどの程度のペースで取り組めていたか」が即座にわかります。引き継ぎコストを最小限に抑えつつ、利用者さまの学習を中断させない。常に人手不足の課題を抱える現場において、属人化しない仕組みは不可欠です。



データが支援の手がかりになる

現場の負担を減らすだけでなく、蓄積されたデータは支援の材料になります。技術の中身がわからなくても、「今週は課題を3つ出せた」「ここで1週間止まっている」といった数字の変化から、利用者さまの細かな調子の波を読み取ることが可能です。

面談においても、感覚的な報告ではなく「自分から質問を送れるようになった」「実案件に挑戦している」といった具体的な成長を伝えることができます。映像制作工房LACは、技術指導という重荷を肩代わりすると同時に、支援者様が本来注力すべき「一人ひとりに向き合うための手がかり」をデータとして返す仕組みです。