パンフレットでは伝えきれない「雰囲気」
未来図校静岡キャンパスの柳澤代表は、パンフレットや文章だけでは伝えきれない「事業所の空気感」に課題を感じていたと言います。
「写真を載せて、文章で説明して、でもそれだけだと“きれいに見せている”という印象で止まってしまう。実際にうちに来てもらえれば雰囲気は伝わるのに、来るまでのハードルが高い。そこをどう埋めるかがずっと課題でした」
福祉事業所の利用を検討されるご本人やご家族にとって、初めての場所に足を運ぶことは大きな決断です。ウェブサイトに載っている情報だけでは、スタッフの人柄や利用者同士の関わり方、施設の雰囲気といった「体感でしかわからないもの」は伝わりにくいのが実情です。
初めて訪れる人にも「安心」を
柳澤代表が動画制作に踏み切った理由は、見学前の不安を少しでも軽減したいという思いからでした。
「見学に来られる方の多くが、到着した瞬間は緊張されています。でも動画を事前に見てくださった方は、スタッフの顔や声をすでに知っている状態で来られる。“あ、動画の方ですね”と言ってくださることもあって、初対面なのに初対面じゃない感覚が生まれるんです」
動画を通じて事前に事業所の様子を知ってもらうことで、見学時の心理的ハードルが下がり、ご本人がリラックスした状態で体験できるようになったといいます。支援者様にとっても、利用者さまに事前情報として動画を共有できることは、紹介のしやすさにつながっています。
「代表がいなくても、代表が伝えられる」
柳澤代表が特に実感している効果は、動画が「不在時の営業マン」になるという点です。
「私が説明会や見学対応に出られない日でも、動画を見てもらえれば、私が伝えたいことはそのまま届く。時間も場所も関係なく、同じ品質の情報をお届けできるのは動画ならではだと思います」
パンフレットはどうしても情報が固定的になりがちですが、動画であればスタッフの表情や声のトーン、施設内の日常の風景まで含めて伝えることができます。特に、保護者の方がご自宅で繰り返し視聴できる点は、意思決定のプロセスにおいて大きな安心材料になっているとのことです。
「発信すること」自体が支援の質を高める
動画制作のプロセスには、事業所の取り組みを言語化し整理するという副次的な効果もあったと柳澤代表は振り返ります。
「動画で“うちはこういう場所です”と説明するために、まず自分たちが“うちって何を大事にしているんだっけ”と改めて考える。そのプロセス自体が、支援の方向性を再確認する機会になっている気がします」
動画は外に向けた発信ツールであると同時に、事業所が自身の強みや理念を再定義するきっかけにもなっています。柳澤代表の取り組みは、動画が福祉現場にもたらす価値が「集客」だけにとどまらないことを示す好例です。