2026年6月、就労継続支援B型の基本報酬に2つの見直しが入りました。1つは6月1日以降に新規指定された事業所に限る「応急的な報酬単価」で、基本報酬が所定単位数の1000分の984(約1.6%の引き下げ)になります。もう1つは平均工賃月額に応じた区分の基準額を3千円引き上げる見直しで、区分が下がる事業所のために中間的な区分が新設されました。既存の事業所すべてが対象ではなく、令和6年度改定の前後で区分が上がっていない事業所などは区分が変わりません。自所がどれに当たるかを確かめておくことが出発点です。

新規事業所に適用される応急的な報酬単価

障害福祉サービス等報酬改定検討チームが2026年2月18日にまとめた改定事項によると、収支差率が高く、かつ事業所が急増しているサービス類型について、新規事業所に限り、令和9年度報酬改定までの間、一定程度引き下げた基本報酬を適用します(告示改正、令和8年6月施行)。対象はB型、共同生活援助(介護サービス包括型・日中サービス支援型)、児童発達支援、放課後等デイサービスです。選定の目安として、年間総費用額に占める割合が1%以上、令和6年度の収支差率が5%以上、事業所数の伸び率が過去3年間5%以上を続けているサービスとされています。

B型の単価は所定単位数の1000分の984に相当する単位数です。対象は令和8年6月1日以降に新規指定された事業所で、既存事業所は従前どおりです。合併・分割・事業譲渡に伴う指定で、事業所が実質的に継続して運営されると認められる場合は既存事業所と同じ扱いになります。

新規でも従前の単価が適用される配慮措置があります。

多機能型事業所から分離して新たに指定を受ける場合などの扱いは、厚生労働省のQ&A(VOL.1 2026年3月31日、VOL.2 2026年7月13日)で示されています。

平均工賃に応じた区分の基準の見直し

令和6年度改定では平均工賃月額の算定式が見直されました。改定事項の資料によると、これで平均工賃月額が約6千円上昇し、想定以上に高い報酬区分の事業所の割合が増えたことから、区分の基準額をそれぞれ3千円引き上げることになりました(上昇幅の2分の1にとどめる)。あわせて次の配慮措置がとられています。

告示では、人員配置6:1、定員20人以下の場合、見直しの対象となる事業所の区分は平均工賃月額4万8千円以上で837単位、4万5千円以上4万8千円未満で812単位、1万5千円以上1万8千円未満で682単位などと定められ、1万円以上1万5千円未満の673単位と1万円未満の590単位は変わりません。厚生労働省の補足資料では、令和7年度の平均工賃月額が1万5千円未満の事業所や、令和6年度改定の前後で区分が上がっていなかった事業所は、6月以降分の区分変更の届出は不要(該当することが分かる根拠書類は確認される)とされ、令和6年4月以降に指定を受けた事業所は見直しの対象とされています。

事業所数の推移と次の改定

2026年9月28日の第64回報酬改定検討チームの資料によると、B型は令和7年度の月平均で19,615カ所、利用者411,668人です。前年度の月平均18,109カ所から約1,500カ所増えました。令和8年4月の実績では20,401カ所、432,419人で、令和7年度の費用額は約7,151億円、障害福祉サービス等全体の総費用額の約15.7%を占めています。

応急的な単価は令和9年度報酬改定までの措置です。第64回の資料では、令和9年度に向けた論点として、B型でも生産活動の収支が工賃の総額以上となることを指定基準に位置づける案や、指定・指導のガイドラインの内容を施行規則や指定基準に位置づける案などが検討の方向性として示されています。いずれも決定ではありません。

支援の現場で使えること

今日のポイント

2026年6月の見直しは、新規事業所の単価特例と、平均工賃区分の基準額の引き上げの2本立てです。自所がどちらにどう当たるかを確かめ、工賃と支援の記録を説明できる形に整えておきましょう。

提供 LAC(ラック)

LAC(ラック)は、映像制作を通じて「できること」を増やし、「働く力」を育てる、就労継続支援事業所向けの学習プログラムです。

学習管理システムで一人ひとりの進み具合を見える化し、専門のサポーターがチャットで質問に答えます。事業所に動画編集の専門家がいなくても始められます。

LAC(ラック)について詳しく見る →

出典(確認日 2026年10月10日)

2026年10月10日に数字の出典を確認し 内容を最新の制度に合わせて改めました。監修 合同会社RP 代表 ミネストローネ