未来図校静岡キャンパスで管理者とサービス管理責任者を務める味岡さん。インタビューと対談の2本立てでお届けします。

インタビュー

未来図校静岡キャンパスで管理者とサービス管理責任者を行っております。静岡市の出身で、今も静岡に住んでいます。高校を卒業してからずっと働いてきました。

趣味は、手作りの小物を集めることです。レジンとかの小物を集めて、眺めるのがすごく好きで。作るのも一回やったことはあるんですけど、何しろ時間がかかるもんで疲れちゃうんですよね。だから今は集める専門です。

学生時代は、静かに本を読んでいるタイプでした。特にファンタジー系が好きで、物語を想像しながら読み進めるのがすごく楽しかったです。

20代前半で心の体調を崩したことがあります。もしそれがなければ、相手の気持ちを考えようとか、そういう考えにも至らずに、このような支援の仕事にもついていなかったと思っています。

最初は老人介護の仕事に入りました。介護をやっている時に心の体調を崩して、休息しながら転職先を探していたんです。特に自分ができることと、嫌じゃないことを探していました。

私には弟がいるんですけど、弟にはアスペルガーがあって。弟の面倒を見るのは嫌じゃなかったなっていうのがきっかけで、障害者福祉に目を向けました。障害者福祉に目を向けた時、まだ弟が小さかったので放課後デイサービスの方を考えていたんですけど、面接を受けた会社の面接官の方から「弟さんが将来行くとしたら就労支援の方だ」と言われて。「そっちで働いてみない?」がきっかけで入りました。

普段言葉が少ない方でも、いっぱい話していけば相手からもたくさん話をしてくれたり、辛そうな顔で過ごしている方でも、ふとした瞬間に笑ってくれたりする。そういうところが、この仕事のやりがいだなと思います。

自分の心の体調も見つつ相手を支援していかないといけないから、そこのバランスは難しいなとは思っていました。でも、私じゃなくて相手の方が大変なので。だからこの仕事は大変だって思ったことはないかもしれないです。

発達障害や精神障害の方って、障害特性が見えづらい部分があって。見えづらいからこそ理解されないという中で、すごく社会で生きづらいですよね。でもそれすらも理解されない。それを解消していくっていうのは簡単にできることじゃなくて、悩むところではあります。

支援員が育ちにくいっていうところも問題に感じています。まず支援員自体の心が安定していないと、相手に感情をぶつけてしまったりして、相手の方が不安になったりイライラさせてしまったりすることがある。支援員も人なのでイライラすることも悲しくなることもたくさんあるんですけど、現場では感情の起伏を手なづけて冷静に問題を把握していかないと、相手の支援にはつながらないんです。

どうしても福祉全体的にお給料は低めの設定ではあります。支援の現場って常に気を張り巡らせて、相手の問題に対してどう支援していくかをずっと考えながらやっていく。それ以外にも事務の仕事があったりいろんな仕事が山のようにあるのに給料が低めみたいなところで、辞めていく仲間を何人か見てきました。

支援の本質は、一人一人に合った支援方法を見つけ出して実行すること。表面に出ている問題じゃなくて根っこの部分に本当の問題があって、そこを徐々に解消していくために何度もトライ&エラーを繰り返していくことが必要です。

将来の夢として、自信が持てる支援をするカフェを開きたいなと思っています。障害があるもないも関わらず、生きているところで辛いなとか居場所がないなって感じている方に来てもらって、まず場所が居場所になるようなカフェであり、将来来てくれた人たちが自分の道へ進んでいく時に、自分自身で居場所を作り上げるっていう。自信が持てる支援をするカフェを開きたいなと思っています。

まだ5年でカフェが開けるかな開けないかなみたいな、うっすらとした感じなので、まずは今働いている職場の方がすごく深い考え方をできる方々が多いので、深い考え方を習得したいです。

悩みを抱えていると辛かったり大変だったり苦しかったり、何ならこの先に未来がないような絶望感を感じていらっしゃる方もいると思います。まずは少しだけでもいいから周りに頼ってみるといいと思います。意外にも自分のことを心配してくれている、本当にちゃんと考えてくれている優しい方がいるかもしれないから。

周りに頼れない方もいると思うので、そういう方はぜひ8ユニットに来てお話してみてください。私たちは話をいくらでも聞きますし、手伝えることは手伝うので。解決自体は私たちがするものではなくてご本人がするものだから、解決するとまでは言えないんですけど、ぜひ話だけでもしに来てみてください。

幸せに生きてほしいから。

対談 サービス管理責任者とは

ーーー未来図校静岡キャンパスで味岡さんにお話を伺っています。サービス管理責任者って事業所に1人は絶対いなきゃいけないポジションで、いないとサービスの提供自体ができない。その割に持っている人が少ないっていう認識があるんですよね。

そうですね、不足気味だという認識はあります。サービス管理責任者の仕事は、個別支援計画の作成や関係機関との連携、従業員への技術指導です。利用者様お一人お一人に計画を作って、定期的にモニタリングして見直していく。事業所だけで完結するわけじゃなくて、医療機関や相談支援事業所と連携しないと本当に必要な支援にはたどり着けないんです。

ーーー味岡さんがこの資格を目指したのは、やっぱり居場所カフェの話とつながっているんですよね。

はい。障害がある方への支援をやっていくなら知識と経験と資格が必要だと感じました。カフェをやるだけなら資格はいらないかもしれないけど、支援をやるなら必要だろうと。

ーーー取るまでの道のりがまた長い。僕も調べたんですけど、なり方がありすぎて一朝一夕では語れないくらい複雑で。

私の場合は介護時代の実務が4年以上あって、介護福祉士という国家資格を取っています。国家資格を取っていると、通常よりも直接支援業務の年数が短く済むんですね。国家資格を取った後に3年以上就労継続B型で働いて、相談支援従事者初任者研修とサービス管理責任者の基礎研修を受けました。

ーーー研修制度自体が令和に入ってから変わったんですよね。

話がややこしくなるんですけど、本来なら基礎研修を受けて、3年間の中で2年の実務をしてからサービス管理責任者の実践研修を受けて、そこで初めて名乗れるんですけど、制度が変わった影響で暫定措置がありまして。基礎研修の段階で3年間だけ名乗れるという形で、今ここにいます。実践研修は今年受ける予定です。

ーーー5年10年かけてたどり着く資格で、しかも制度が変わり続けている。利用する側からすると、良いサビ管さんに出会えるかどうかが気になるところだと思うんですけど。

合う合わないがどうしても出てくるから、いろんな方にお会いした方がいいと思います。ちゃんと話を聞いてくれるなとか、見通しを立ててくれるなって思える方のところにいた方がいい。でもそもそも、5年10年かけてこの資格を取ろうとした方なわけですから、そうそう悪い人はいないと思っています。

ーーー給与の面はどうですか。努力や時間に見合っている感覚はありますか。

生活するだけのお金は必要ですけど、自分の夢ややりたいことに時間をかけたいって思ったら、見合っているかなと。人によるので何とも言えないですけど。

ーーーこれから目指す方へのアドバイスがあれば。

長期戦になるので、この仕事が好きだなって思ってないと厳しい道ではあります。けれど諦めなければたどり着けるし、研修自体はすごく勉強になって面白い部分もあったので、ぜひ目指してみてください。

編集後記

味岡さんと話していていちばん印象に残ったのは、「私じゃなくて相手の方が大変だから。だから大変だって思ったことはないかもしれないです」という言葉でした。ご自身も心の体調を崩した経験がある方ですから、その言葉は軽くないと思います。

「嫌じゃないこと」を基準に転職先を選んだ当時の味岡さんと、今サービス管理責任者として個別支援計画を書いている味岡さんが同じ方だというのが、この仕事の面白いところだと感じました。入り口の動機は後からいくらでも変わります。

サービス管理責任者の資格取得に何年もかけた原動力が「居場所カフェを作るため」だというのが印象的でした。夢が先にあって、そこに必要なものを一つずつ拾っている。福祉の給料は低い、支援員は育ちにくい、辞めていく仲間がいる。そういう現実の中で、味岡さんは残っている側の方でした。夢があるから今の場所にいる意味がある。そういう方だったと思います。