農業と福祉が組む農福連携に取り組む主体は、2024年度末で8,277になりました。2019年度の4,117から、5年でおよそ2倍です。2019年の農林水産省の調査では、取り組む障害者就労施設の74%で賃金・工賃が増え、受け入れた農業経営体の76%が障害のある人を「貴重な人材」と答えています。

農福連携とは

農林水産省は、農福連携を「障害者の農業分野での活躍を通じて、自信や生きがいを創出し、社会参画を促す取組」と説明しています。いまは高齢者、生活困窮者、ひきこもりの状態にある人の就労や社会参加、犯罪をした人の立ち直りの支援にも広がっています。

形はいくつかあります。農業経営体が障害のある人を雇う、障害者就労施設が自ら農業を始める、施設が農家から作業を請け負う、などです。2024年6月に改正された食料・農業・農村基本法では、第46条に農福連携の推進が新たに書き込まれました。

8,277の中身

農林水産省の「農福連携をめぐる情勢」(2025年8月)によると、2024年度末の8,277は次の合計です。

推移は2019年度4,117、2020年度4,571、2021年度5,509、2022年度6,343、2023年度7,179、2024年度8,277です。2019年に決めた推進ビジョンの目標(5年で新たに3,000)は上回りました。2024年6月の改訂版ビジョンは、2030年度末までに12,000以上、地域協議会に参加する市町村を200以上(2024年度は144)とする目標を掲げています。

2019年の調査で見えたこと

農林水産省が2019年3月にまとめた調査の結果です。

どれも、取り組んでいる側に聞いた結果です。取り組んでいない施設や農家と比べた数字ではなく、調査から6年以上たっている点にも注意が必要です。農林水産省の「農福連携をめぐる情勢」(2025年8月)は、より新しい調査として一般社団法人日本基金のアンケート(2023年3月)を載せています。そこでは、過去5年間の平均賃金・工賃が増えた福祉サービス事業所は58.4%、「障害者等が貴重な戦力となった」と答えた農業経営体は56.4%でした。

始めるときに使える仕組み

支援の現場で使えること

農林水産省の資料は、作物が多く作業の種類も多い農業の現場では、一人ひとりの特性に合った作業に出会いやすいと説明しています。B型やA型の作業を増やしたいときは、まず道府県のワンストップ窓口に相談する方法があります。最初から施設外就労を決めず、短い期間の作業の受託から始めると、利用者に合う作業かを確かめやすくなります。

企業の担当者へ

企業が農業で障害のある人を雇う方法には、特例子会社で農業を始める形などがあります。なお、企業が障害者を雇い、働く場所と仕事を別の事業者が農園などで用意する「雇用代行」は、2025年11月末で46法人・223か所(うち農園153か所)に広がっています。法律の規制はまだなく、2026年8月31日の厚生労働省の障害者雇用分科会では、届出の義務やガイドラインが論点に挙がりました。農園で雇用を考えるときは、仕事の中身と本人の成長を自社で説明できるかを確かめておきます。

今日のポイント

農福連携に取り組む主体は5年でおよそ2倍になり、2030年度末の目標は12,000以上です。働く人と受け入れる農業の両方に効果を感じる声がある一方、数字は取り組む側の回答である点を押さえておきます。

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出典(確認日 2026年10月10日)

この記事の案内役 結城ユイは、制度と実務の解説の案内役(架空のキャラクター)です。監修:合同会社RP 代表 ミネストローネ