特例子会社は、障害のある人の雇用に特別の配慮をした子会社です。国の認定を受けると、そこで働く人を親会社に雇われている人とみなして、親会社の雇用率を計算できます。厚生労働省の集計では、2025年6月1日時点で631社が認定を受けており、働く障害のある人のおよそ半分が知的障害のある人でした。認定の要件と数字の中身を整理します。

特例子会社のしくみ

障害者を一定の割合以上雇う義務(法定雇用率)は、会社ごとにかかります。親会社と子会社の関係でも、法人が別なら別々に数えるのが原則です。特例子会社はその例外で、障害者雇用促進法 第44条にもとづく「子会社特例」の認定を受けた会社を指します。認定を受けると、雇用率の計算では親会社と特例子会社を1つの事業主として扱います。

厚生労働省の資料によると、この制度は1976年(昭和51年)に局長通達で始まり、1987年の法改正で法律に書き込まれ、1988年4月に施行されました。子会社のほかに、グループの関係会社をまとめて数える「関係会社特例」などの算定特例もあります。

認定の要件

大阪労働局とハローワークの案内(2026年7月版)では、要件は「親会社との関係」と「子会社そのもの」の2つに分かれています。

親会社との関係

子会社の要件

この割合を計算するときは、重度の人を2人と数える扱いはしません。また、障害福祉サービスの基準を定めた省令により、特例子会社は就労継続支援A型事業所を運営できません。

2025年の631社の中身

厚生労働省「令和7年 障害者雇用状況の集計結果」(2025年6月1日時点)では、認定を受けている特例子会社は631社で、前年より17社増えました。雇用されている障害者は53,710.5人(前年50,290.5人)です。障害の種類ごとの内訳は次のとおりです。

知的障害のある人が全体のおよそ半分です。民間企業全体では身体障害が373,914.5人で最も多く、知的障害は162,153.5人なので、特例子会社では構成がはっきり違います。

数字を読むときの注意があります。53,710.5人は雇用率の計算に使う数で、重度の人を1人で2人分と数え、重度でない身体障害や知的障害のある人が週20時間以上30時間未満で働く場合を0.5人分と数えるなどした結果です。実際に働いている人数とは一致しません。

支援の現場で使えること

厚生労働省は、都道府県ごとの特例子会社の一覧を公表しています。会社名・所在地・親会社・認定の年月日が載っているので、求人先が特例子会社かどうか、どの企業グループに属するかを確かめられます。

特例子会社は、専任の指導員の配置や設備の改善が認定の要件に入っています。手順を区切った仕事や相談しやすい体制を求める人には、候補の1つになります。見学や実習の場で、仕事の中身と相談の窓口を本人と一緒に確かめておくと、選ぶ材料が増えます。

企業の担当者へ

認定は一度受ければ終わりではありません。障害者5人以上・割合20%以上などの要件を満たさなくなったときは、公共職業安定所への連絡が必要です。認定後の障害者雇用状況報告は、親会社がグループ全体をまとめて、親会社の所在地を管轄する公共職業安定所に出します。申請書の様式は厚生労働省の「事業主の方へ」のページから入手できます。

大阪労働局の案内では、認定されると障害者雇用納付金制度の扱いも、認定を申請した年度の4月1日までさかのぼって適用されます。申請したら、高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)の都道府県支部に早めに連絡するよう案内されています。

今日のポイント

特例子会社は、認定を受けた子会社で働く障害のある人を親会社の雇用率に数えるしくみです。2025年は631社で、働く人のおよそ半分が知的障害のある人です。

提供 LAC(ラック)

LAC(ラック)は、映像制作を通じて「できること」を増やし、「働く力」を育てる、就労継続支援事業所向けの学習プログラムです。

学習管理システムで一人ひとりの進み具合を見える化し、専門のサポーターがチャットで質問に答えます。事業所に動画編集の専門家がいなくても始められます。

LAC(ラック)について詳しく見る →

出典(確認日 2026年10月10日)

この記事の案内役 結城ユイは、制度と実務の解説の案内役(架空のキャラクター)です。監修:合同会社RP 代表 ミネストローネ