障害者トライアル雇用は、障害のある人を期間を決めて試しに雇い、仕事との相性を会社と本人の両方で確かめる制度です。期間は原則3か月で、精神障害のある人は原則6か月以上12か月以内です。会社には1人につき月最大4万円(精神障害のある人は最初の3か月が最大8万円)の助成金が出ます。対象者・手続き・助成の条件を厚生労働省の資料で整理します。

2つのコース

厚生労働省の助成金は「障害者トライアルコース」と「障害者短時間トライアルコース」の2つに分かれています。どちらも、ハローワークか民間の職業紹介事業者などの紹介で雇い入れることが条件です。

障害者トライアルコース

対象は、続けて雇われることを望み、トライアル雇用の制度を理解したうえでその形での雇い入れも望んでいる障害者で、次のどれかに当たる人です。

障害者短時間トライアルコース

対象は精神障害か発達障害のある人です。雇い入れたときの週の所定労働時間を10時間以上20時間未満とし、職場への慣れや体調に合わせて、期間中に週20時間以上にすることを目指します。期間は3か月以上12か月以内です。

期間と助成額

厚生労働省の実施要領では、トライアル雇用の期間は原則3か月です。重度でない身体障害者と知的障害者は、本人と会社が合意すれば1か月か2か月にもできます。精神障害のある人は原則6か月以上12か月以内で、合意すれば3か月以上5か月以内にもできます。テレワークで働く人(精神障害のある人を除く)は、3か月以上6か月以内まで認められています。

助成額は次のとおりで、支給は1か月単位です。

「最大」とあるのは、予定していた日数のうち実際に働いた日数の割合で額が変わるためです。支給要領では、本人の都合による休みなどがあった月は、働いた割合が75%以上なら満額、50%以上75%未満なら4万円の場合で3万円というように段階的に減ります。

手続きの流れ

会社はトライアル雇用を始めた日から2週間以内に、実施計画書と雇用契約書などを提出します。期間中は雇用保険の被保険者資格を取得する手続きも必要です。助成金の支給申請は、原則としてトライアル雇用が終わった日の翌日から2か月以内に、事業所を管轄する都道府県労働局へ出します。このほか雇用関係助成金に共通する要件もあるため、詳しくは労働局かハローワークで確かめます。

常用雇用に移った割合

厚生労働省の行政事業レビューでは、2017年度にトライアル雇用を始めた人は7,716人でした。トライアル雇用を終えた人のうち常用雇用に移った人の割合は86.5%で、目標の80%を上回っています。ただしこれは2017年度の数字で、今回はそれより新しい年度の実績を一次資料で確かめられませんでした。

支援の現場で使えること

トライアル雇用は、ハローワークなどの紹介が前提です。本人が応募を考えている求人がトライアル雇用の対象になるかは、紹介の前にハローワークで確かめておきます。精神障害や発達障害のある人で、いきなり週20時間以上働くのが不安な場合は、週10時間から始める短時間トライアルを選択肢として示せます。期間中に体調や作業の様子を記録しておくと、続けて雇われるかを話し合う材料になります。

企業の担当者へ

トライアル雇用は、採用前に仕事との相性を確かめられる方法です。助成を受けるには、ハローワークなどの紹介で雇い入れることと、開始から2週間以内の実施計画書の提出が条件になります。期間の長さや労働時間は、本人と話し合って計画書に書き込みます。精神障害のある人の場合は期間が長く、最初の3か月の助成額も高く設定されています。

今日のポイント

トライアル雇用は、原則3か月(精神障害のある人は6〜12か月)試しに雇い、続けて雇うかを決める制度です。短時間から始めるコースもあります。

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出典(確認日 2026年10月10日)

この記事の案内役 結城ユイは、制度と実務の解説の案内役(架空のキャラクター)です。監修:合同会社RP 代表 ミネストローネ