就労継続支援A型は、障害のある人が事業所と雇用契約を結んで働く、障害者総合支援法の福祉サービスです。雇用契約なので最低賃金を含む労働関係の法令が当てはまり、利用できる期間に制限はありません。利用者の賃金は生産活動の収入から、事業所の運営は給付費からと、お金の流れが2つに分かれているのも特徴です。厚生労働省の資料と指定基準をもとに、対象者、お金の仕組み、事業所数の推移を整理します。

※大阪市が認定した内容について、会社は見解が異なるとして裁判で争っています(2026年10月31日現在)。

就労継続支援A型の対象者とB型との違い

障害者総合支援法の施行規則は、A型を、通常の事業所に雇用されることが困難で、雇用契約に基づく就労が可能な人に、雇用契約の締結などによる就労の機会や生産活動の機会を提供し、就労に必要な知識と能力を高める訓練などを行うサービスと定めています。B型は、雇用契約に基づく就労が困難な人が対象で、雇用契約を結ばずに生産活動などを行います。

厚生労働省の資料では、A型の対象として、就労移行支援を利用したが企業などの雇用に結びつかなかった人、特別支援学校を卒業して就職活動をしたが雇用に結びつかなかった人、就労経験があり今は雇用関係にない人などが挙げられています。2018年4月からは、65歳以上の人も要件を満たせば利用できます。2022年の法改正で、一般の事業所に雇われている人が、就労に必要な知識や能力を高める支援を一時的に受ける形も加わりました。

賃金は生産活動から 運営は給付費から

A型事業所は、会計を生産活動の会計と、それ以外の福祉事業活動の会計に分けます。利用者の賃金は、製品の販売など生産活動の収入から払います。指定基準 第192条は、生産活動の収入から必要な経費を引いた額が、利用者に払う賃金の総額以上となるようにしなければならないと定め、賃金の支払いに要する額は、原則として自立支援給付をもって充ててはならないとしています。

一方で、支援員の給料など事業所の運営にかかるお金の主な収入は、市町村から国保連を通じて支払われる自立支援給付費(報酬)です。2つの財布は、目的も入り口も別になっています。

報酬はスコアで決まる

基本の報酬は、2021年度の報酬改定から、定員と人員配置に加えて、事業所の取り組みを点数にしたスコアで決まります。定員20人以下・人員配置7.5対1の場合、170点以上で1日791単位、60点未満で1日325単位と、2倍以上の差があります。

基本報酬に上乗せされる加算もあります。そのひとつが就労移行支援体制加算で、一般就労へ移行し6か月以上定着した人の数などに応じて、A型では1日50〜93単位が設定されています。

事業所は4,368か所 改定後は減る傾向

国保連のデータでは、2025年1月時点で事業所は4,368か所、利用者は84,704人です。厚生労働省の資料によると、2015年から2024年までの10年で事業所は1.7倍、利用者は1.9倍に増えました。資料は、2024年度の報酬改定以降は事業所数・利用者数とも減少傾向にあり、最低賃金の引上げなどによる経営への影響も考えられるとしています。

2025年10月からは就労選択支援が始まりました。2027年4月からは、新たにA型を利用する場合、就労選択支援で就労に関する課題などの把握が行われている人が対象となる予定です。

2026年3月には、大阪市がA型の4事業所の指定を取り消すと発表しました。市は、就労移行支援体制加算を不正に請求したと認定しています。

支援の現場で使えること

A型を勧めるときは、雇用契約を結ぶこと、最低賃金以上の賃金が払われること、利用期間に上限がないことを本人と確かめておけます。賃金は生産活動の売り上げから払われるので、見学では、どんな仕事で売り上げを立てているのか、一般就労に移った人がその後どう働き続けているのかを聞いておくと、事業所ごとの違いが見えてきます。

企業の担当者へ

A型の利用者は、事業所と雇用契約を結んだ労働者です。A型から一般就労を目指す人を迎えるときは、事業所でどんな仕事をしていたか、就職したあとに事業所がどう定着を支えるかを、最初に確かめておけます。

今日のポイント

A型は雇用契約で働く福祉サービスです。賃金は生産活動から、運営は給付費からと、財布が分かれています。

※大阪市が認定した内容について、会社は見解が異なるとして裁判で争っています(2026年10月31日現在)。

提供 LAC(ラック)

LAC(ラック)は、映像制作を通じて「できること」を増やし、「働く力」を育てる、就労継続支援事業所向けの学習プログラムです。

学習管理システムで一人ひとりの進み具合を見える化し、専門のサポーターがチャットで質問に答えます。事業所に動画編集の専門家がいなくても始められます。

LAC(ラック)について詳しく見る →

出典(確認日 2026年10月10日)

この記事の案内役 結城ユイは、制度と実務の解説の案内役(架空のキャラクター)です。監修:合同会社RP 代表 ミネストローネ